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2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

2月22日の頭痛の日に、片頭痛コントロールカレッジ第3回 頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」が開催されました。

認定頭痛専門医である富士通クリニックの五十嵐久住先生によるオープニングトーク、頭痛に悩むゲストとのパネルディスカッション、五十嵐先生のQ&Aコーナーなど、イベントの様子を詳しくご紹介します。

痛いのは頭だけじゃない!生活にも支障が出やすい片頭痛とは

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

2月22日は日本頭痛協会が定めた頭痛の日。頭痛のシンボルカラーがグリーンであることから、熊本城がグリーンにライトアップされるなど各地で啓発のためのライトアップイベントも行われました。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

そんな2月22日に、アムジェン株式会社は一般社団法人日本頭痛学会、JPAC(頭痛医療を推進する患者と医療従事者の会、Japan Patient Advocacy Coalition)の後援のもと、第3回片頭痛コントロールカレッジ 頭痛の日特別トークイベント『片頭痛の、ホントの痛み』を開催しました。

日本人の約4割が悩まされているといわれる頭痛。頭痛には片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛・薬の使い過ぎによる頭痛などがあり、片頭痛に悩んでいる方は全体の約8.4%、日本に約840万人いるといわれています。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

片頭痛は生活への支障が大きいものの、つい我慢をしてしまっている方が多いのも現実です。

体質だから、頭痛くらいで仕事を休めないからと、市販薬を飲んで何とか乗り切っているという方も多いのではないでしょうか。

また、頭痛の辛さは周りに理解してもらえないことが多いもの。仕事に支障が出る、家族とのイベントを楽しめないなど、思うように日々を過ごせず頭だけではなく心も痛む。それが、片頭痛のホントの痛みなのです。

認定頭痛専門医 五十嵐久住先生のオープニングトーク

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

イベントは、認定頭痛専門医である富士通クリニック 頭痛外来の五十嵐久住先生のオープニングトークから始まります。
五十嵐先生は、頭痛の日にちなんで緑の着物でご登壇されました。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

五十嵐先生によると、日本人の頭痛の有病率は実に約4割なのだそう。
その内訳は、緊張型頭痛が22.4%、片頭痛が8.4%、その他の頭痛が8.9%(群発頭痛・薬の使い過ぎによる頭痛など)。
片頭痛に悩んでいる日本人は、840万人程度いると推定されているそうです。

頭痛くらい、と思って我慢してしまう方も多いですが、実は片頭痛は日常生活への影響が大きい病気なので、決して侮れません。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

片頭痛の症状には

① 頭の片側に起こる
② ずきんずきんと拍動性の痛みがある
③ 我慢できないほどの痛みで仕事に支障が出る
④ 身体を動かすと痛みが悪化する
⑤ 頭痛が起こると吐き気がする
⑥ 光や音に敏感になる

などがあり、①~④の症状のうちの2つ、それにプラスして⑤か⑥のうち1つ以上が当てはまれば片頭痛の可能性があるのだそうです。

頭の両側が痛むと片頭痛ではないと思ってしまいがちですが、五十嵐先生によれば片頭痛でも両側が痛くなる人が4割程度いるとのこと。
両側が痛くても、動くと痛みが増すような場合は片頭痛の可能性があるのだそうです。

これまで自分は緊張型頭痛だと思っていた方も、もしかしたら片頭痛かもしれません

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男女の割合としては男性3.6%、女性が12.6%で、女性が約4倍多いのだそうです。そのなかでも、20~40代の働き盛りの世代に多い特徴があります。

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女性の場合は月経前や月経中など月経に関連した片頭痛も多いそうで、月経中に頭痛が起こる人のうち約65%が片頭痛だったといわれています。

月経痛の一種だからしかがたないと思っている方も多いですが、実は月経痛ではなく片頭痛だったというケースも意外に多いのだそうですよ。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

そして、男性よりも女性の方が頭痛による日常生活への支障が大きく、活動制限の期間も長いことが分かっているそうです。

片頭痛の日数が少ない人でも約半数が中等度以上の痛みを感じており、日数が少なくても生活に支障が出ているケースが多いのだそうですよ。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

また、片頭痛には誘因や増発因子には
月経や排卵・更年期・寝不足や寝すぎ・空腹・ストレスやストレスからの解放・光・騒音・強いにおい・人混み・天候や温度の変化・高い湿度・アルコール
などがあるそうです。
日常生活の中で、避けられるものは避ける工夫をすると良いですね。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

片頭痛は日常生活に支障が出やすいもかかわらず、頭痛で病院を受診している人は少ないのが現実。五十嵐先生によれば、約4人に3人は市販薬を使ってなんとか乗り切っている状態なのだそうです。

片頭痛にはトリプタンという治療薬があり、頭痛外来を受診することで治療が可能です。また、予防薬を使って事前に片頭痛を予防する方法もあります。

しかし、トリプタンを使ったことがある人は5人に1人程度。予防薬を使ったことがある人は10人に1人程度しかいないのだそうです。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

頭痛は、我慢するものではなく治療法があります。病院を受診すれば、治療薬や予防薬で痛みをコントロールできるのです

五十嵐先生は、「頭痛で困っている場合にはぜひ病院を受診してください」とおっしゃっていました。

五十嵐先生&片頭痛に悩むゲストとのパネルディスカッション

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

続いて行われたのは、認定頭痛専門医の五十嵐久住先生と、片頭痛に悩むゲストとのパネルディスカッションです。

ご登壇されたのは、成城ハートクリニック院長で循環器専門医の北川容子先生と、ヨガスタイリスト・パーソナルトレーナーとしてご活躍されているTsukiさん
そして、ご自身も辛い片頭痛に悩まされているという司会の高橋麗さんもパネルディスカッションに加わります。

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成城ハートクリニックの北川先生は、子供の頃から運動会や球技大会など、炎天下で行われる行事の後などに頭痛に悩まされることがあったそう。その時は、片頭痛だとは思っていなかったそうです。

五十嵐先生によれば、運動会や球技大会など、炎天下で行われる行事では片頭痛が起こりやすいとのこと。
確かに、太陽の光・騒音・人混み・早起きによる寝不足など、片頭痛が起こりやすいさまざまな条件が重なっています。

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北川先生は自分の頭痛を緊張型頭痛だと思って対処を行って、逆効果になったこともあったそうです。
レジャーや行事、研究会などは楽しさもあるけれど緊張感や周りに気を使うことも多く、家に帰ってほっとすると頭痛が襲ってくることが増えたとのこと。

五十嵐先生によれば、片頭痛でも8割くらいは首のコリを伴うことがあるのだそうで、緊張型頭痛だと誤診されるケースも多いそうです。
肩や首のコリがあるかどうかよりも、動くと痛いかどうかなどに注意すると見分けやすいとのこと。
また、温めると逆効果になることもあるため注意が必要なのだそうですよ。

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北川先生は、頭痛は病気だとは思っておらずなかなか受診に至らなかったそう。現在は五十嵐先生のクリニックを受診し、頭痛が軽減して精神的にも救われているそうです。

また、北川先生は片頭痛の誘因となることを書き出し自分でコントロールできること、どうにもならないこと、時として調整ができることに分けて対処をしているのだそう。
私達にも、参考になりそうですね。

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頭痛で予定をキャンセルするとずる休みやドタキャンだと思われてしまうのではないかと不安な方も多いと思いますが、「周りの人に話してみると意外と理解してくれますよ」と五十嵐先生。
理解してもらえない場合、医師に診断書を書いてもらうという方法もあるそうです。

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ヨガインストラクターのTsukiさんが頭痛を感じるようになったのは高校生くらいから。特に月経前に脈打つようなひどい痛みを感じることが多いのだそうです。

頭痛が起こるのは月に1~2回で、今のところ病院は受診していないとのこと。ただ、仕事柄いつ頭痛が起こるか不安になることも多く、事前に分かるとありがたいと思っているそうです。

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

五十嵐先生によれば、月に1~2回の頭痛で自分でコントロールできていれば、受診はしなくても大丈夫とのこと。
ただし、週に2回以上薬を飲まなくてはいけないような場合や、いつもと違う痛みがあったような場合には受診した方が良いそうです。

Tsukiさんは、頭痛がある時には頭痛やPMSを和らげるヨガを行っているそう。いつもよりも強度を下げ、コリやむくみを取るポーズを中心に行っているのだそうですよ。

五十嵐先生によれば、ヨガは肩こりや首の痛みなど片頭痛の誘発因子を取り除くのに効果的だそうで、腹式呼吸でセロトニン神経を鍛える効果などが期待でき、自律神経のバランスを取るのにも良いとのこと。脳内を穏やかに保つギャバも分泌しやすくなるのだそうですよ。
ただし、ホットヨガはNGで、無理のないポーズを心掛けるのが大事だそうです。

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Tsukiさんのように月経に伴って片頭痛が起こる女性は多く、月経時以外に起こる片頭痛に比べて持続時間が長く重くなりやすい傾向があるのだそうです。

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司会を務める高橋麗さんも、ひどい片頭痛持ちだそう。
別の病気でかかった内科で相談したところ、毎日頭が痛いのは普通ではないと言われて脳神経内科を受診したのだそうです。

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常に鎮痛剤を持っていないと不安で月に何度も鎮痛剤を飲んでいるという高橋さんは、五十嵐先生から「今すぐ受診が必要ですね」と言われていました

参加者からの質問に五十嵐先生がアドバイス!Q&Aコーナー

2月22日は頭痛の日!頭痛の日特別トークイベント「片頭痛の、ホントの痛み」

続いて行われたのが、参加者からの事前質問に五十嵐先生がアドバイスをするQ&Aコーナーです。

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最初の質問は、「頭痛がひどいとき、薬が効くまでの間に少しでも和らげる方法はありますか?」というもの。

五十嵐先生「薬を飲んでもそのまま動いていると頭痛は良くならないことが多いので、暗くて静かな部屋でなるべくじっとしているのが良いです」

片頭痛は冷やしたほうが良いようで、おでこに貼る冷却シートや濡れタオルなどで冷やすのが良いのだそうです。
ただし、体は冷やすと良くないので、ブランケットなどで温めるようにしましょう。

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続いての質問は「片頭痛と緊張型頭痛のどちらかわからず対処に困ることがあります。見分け方はありますか?」というもの。

五十嵐先生「頭痛ダイヤリーを書いて頂きたいですね」
吐き気がある、動くと痛いなど症状をメモしておくのが大事だそう。症状を見ることで、その日の頭痛が片頭痛かどうかが分かりやすいのだそうです。
よくわからない場合、お辞儀をしてみて痛みが増すかどうか、体を動かして痛みが増すような場合は片頭痛、などを目安にするのも良いそうですよ。

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3つ目の質問は「どのようなタイミングで病院にかかるべきか分かりません。頭痛の頻度や症状など、何か目安はありますか?診察の時に先生に何を伝えばよいでしょうか」というものです。

五十嵐先生「頭痛の頻度が低くても、生活に支障がでておりご自分が困っていれば受診してください。困ってないと思っても、薬を週に2回以上飲んでいる、週に2日以上頭が痛いという方はぜひ受診した方が良いですね」
また、今までと違う痛みがある、痛みが強くなる、頻度が増えた、市販薬が効かなくなったという場合、危険な病気が隠れている可能性があるため必ず受診してくださいとのこと。

また、病院では問診票を書くことが多いので、症状をまとめておくと良いそうです。頭痛学会のホームページから頭痛ダイヤリーがダウンロードできるので、それを活用するのも良いとのことですよ。

最後に

日本人の約4割が悩まされている頭痛。みなさんも多かれ少なかれ、経験しているのではないでしょうか。

頭痛で仕事を休むわけにはいかない、この程度で受診していいのか分からないといった理由で、市販薬で乗り切ってしまう方も多いでしょう。しかし、頭痛は日常生活に与える支障が大きい病気です。

そして、病院を受診して治療薬・予防薬を処方してもらうことで治療が可能です。痛みをコントロールして、生活の質を上げることができます。片頭痛で辛いと感じているなら、我慢せずに病院を受診して治療を受けてくださいね。

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