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料理がもっとおいしくなる?3つの「みりん」の選び方と使い分け術

スーパーの棚に陳列されているみりんを見て、「これとこれは何が違うの?」と思ったことはありませんか。

実は、みりんは大きく分けて3つに分類され、パッと見は似ていても、原材料や製造過程などは異なります。

今回は、それぞれの特徴と違い、料理に合った選び方を見ていきましょう。

見た目がそっくりでも中身は別物?みりんを構成する素材や仕上げ方の特徴

それぞれの分類がどう違うのか、順番に紹介していきます。

伝統製法に一番近い「本みりん」

米、米こうじ、焼酎(醸造アルコール)を発酵・熟成して2か月以上かけて作られたものです。

中でも、もち米・米こうじ・米焼酎を使用し、伝統製法で作られているものを本格本みりんと言います。

多糖からなる上品な甘さと、タンパク質が分解されて作られるアミノ酸によるうまみが特徴です。

戦後以降、本みりんは酒類に該当するので、課税されて贅沢品とされていました。

現在では大手スーパーなどのプライベートブランドから安価なものも発売されています。

現代にマッチする製造方法の「みりん風調味料」

水あめ、醸造調味料、酸味料などをブレンドして作られたものです。

名前や原材料を見ればわかるように、本みりんのような風味になるように仕上げています。

原材料を合わせただけであり、発酵は一切しておらず、アルコール分もほぼありません。

戦後の高い課税から逃れるために作られました。

原材料を合わせたら即日出荷ができるので、安価なうえに市場にも出回りやすいのが特徴です。

食塩添加がポイントの「みりんタイプ調味料」

水あめ、米、米こうじ、醸造アルコール、食塩などをブレンドしたもの。

本みりんと同じく発酵を行っており、アルコール分も高いですが、課税を避けるために食塩を入れているのが特徴です。

本みりんと同様、甘さやうまみはありますが、使う場合は塩加減に注意しましょう。

発酵調味料と呼ばれることもあります。

迷いやすいみりん選びも安心!パッケージの表示から見極めるためのポイント

では、実際購入する時にどうやって見分ければ良いのでしょうか。

見分けるコツをご紹介します。

原材料で見分ける

米、米こうじ、焼酎もしくは醸造アルコールの3つが必ず入っているのが本みりん。

商品によっては、糖類が追加されています。

また、みりん風調味料は、醸造調味料や酸味料など、いわゆる食品添加物で原材料が構成されているのが特徴です。

みりんタイプ調味料は食塩が表記されているかどうかをチェックしてください。

迷ったらまずは原材料を見てみましょう!

アルコール分で見分ける

本みりんとみりんタイプ調味料は、アルコール分が14%と高めです。

一方で、みりん風調味料のアルコール含有量は1%未満と、ごくわずか。

原材料の近くに表記されていることが多いですよ。

酒類かどうかで見分ける

本みりんのみが酒類に該当します。

みりん風調味料は上述の通り、ほぼアルコールが入っていないため、酒類には入りません。

また、みりんタイプ調味料はアルコール分は高くても食塩が入っているので、法律的に酒類の該当から外れます。

本みりんはたとえ飲酒目的でなくても、酒類として見なされる以上、20歳未満の方には販売できません。

お子さまにおつかいを頼む時などは注意してくださいね!

開栓後の保存方法で見分ける

アルコールや食塩は防腐剤の役割を果たします。

そのため、みりんタイプ調味料は直射日光を避けた冷暗所であれば、常温でも構いません。

本みりんは冷蔵庫に入れると糖分が固まってしまうこともあるので、冷蔵庫は避けることをおすすめします。

みりん風調味料はアルコールも食塩も入っていないため、開栓後は冷蔵庫で保管するようにしましょう。

調理別に使い分けよう!3つのみりんのおすすめ活用法とは?

では、実際にみりんをどのように料理に使い分ければ良いのでしょうか。

使い分けをご紹介します。

本みりんのおすすめ調理法

スイーツ

砂糖よりも低糖質で、スイーツ作りにも注目されている本みりん。

煮切ってしまえば、上品な大人向けスイーツに大活躍です!

照り焼き

本みりんは調理に使うと、照り・ツヤが出るのが特徴です。

そのため、本みりんの使用が一番適しています。

煮もの

本みりんに含まれている糖類とアルコールは、食材の煮崩れを防止する効果があります。

さらにアルコールは味を染み込みやすくさせたり、食材のニオイを消したりするので、お魚やお肉を使った煮物にもピッタリです。

みりん風調味料のおすすめ調理法

ドレッシング

アルコールがほとんど入っていないので、煮切る必要がありません。

そのため、ドレッシングを手作りする時などそのまま使用したい場合におすすめです。

めんつゆ・タレ

めんつゆやタレは本みりんでもおいしく作ることはできますが、時短したい場合などは煮切る必要がないみりん風調味料がピッタリです。

みりんタイプ調味料のおすすめ調理法

炒めもの

みりんタイプ調味料はアルコール、甘さ、コク、塩分、すべてを併せ持っています。

味が一発で決まりやすいので炒めものに使いましょう!

下味・漬け込み

上述したように、1本で味が決まるため、時短にも向いています。

下味や漬け込み料理などで活躍するでしょう。

まとめ

本みりん・みりん風調味料・みりんタイプ調味料と3つの分類がある、みりん。

原材料や製造工程、アルコールの有無、そして料理への使い方にそれぞれ特徴があります。

中でも本みりんは、発酵によって引き出されるコクや甘さがあり、料理に深みや照りを与えてくれる万能選手。

一方で、アルコールを含まないみりん風調味料は、加熱せずに使いたいドレッシングなどに便利です。

さらに、みりんタイプ調味料は食塩を含みますが、本みりんの特徴をしっかり持っており、下味や炒め物など手早く味を決めたいときに活躍します。

どれが優れているというよりも、それぞれに向き・不向きがあると知っておくことが大切です。

ぜひ料理の内容や目的に合わせて、上手に使い分けてみてくださいね♪

料理がもっとおいしくなる?3つの「みりん」の選び方と使い分け術
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